理不尽な主張

ぼんやりとした不安
ちょうど、去年の今ごろだったと思う。重い心臓病の女児を救済する募金が行われていた。女児はアメリカで心臓移植手術を受けなければ、命を落とす。募金の目標額は渡航費や手術費など合わせて1億3600万円。両親と関係者は必死で募金活動に専念した。
 ところがである。この募金活動が、匿名で投書できるインターネットの2ちゃんねるなどで攻撃の的になってしまった。
 掲示板に「また、子供を利用した詐欺ですか」「身銭を切らないのはおかしいですね」といった中傷が大量に掲載される。両親がNHKの職員だと分かると、「高給取りを隠して同情を買っている」と見当違いの非難をする。揚げ句の果ては、女児の自宅の写真までネット上に公開し、「家を売ればいい」と攻撃する。
 人の不幸をからかう態度、無責任な言動、理不尽な主張、個人情報の暴露…。なぜ、ネットではひとつの話題に大勢が群がり、集中攻撃するのだろうか。2ちゃんねら−(2ch利用者)たちはこれを「祭り」と呼ぶが、許されない卑劣な行為である。
 こんな事件もある。先月24日夜、名古屋市内の路上で帰宅途中のOLが3人の男にハンマーで殴られて殺害され、現金を奪われた。男たちは携帯電話の闇サイトを通じて知り合い、女性を襲うことを計画したという。
 サイトだと、楽に犯罪仲間を募れ、お互いに素性が分からなくとも、犯罪志向のある人間同士が意気投合すれば、簡単に人の命を奪えるのだろうか。ネットの世界に浸り過ぎると、仮想と現実との区別がつかなくなってしまうのかもしれない。
 便利なインターネットが人々の生活に欠かせなくなればなるほど、マイナス面も出てくる。2ちゃんねるや闇サイトがその例である。野菊に付く匿名のブログにもその臭(にお)いをわずかに感じるときがある。
 将来、ネットはどうなっていくのか。これも漠然たる不安のひとつだ。
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